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小山町役場の専決処分に抗議する
 池谷町長は、令和4年4月25日に木質バイオマス発電事業特別会計の令和3年度赤字分の穴埋めのために令和4年度会計から2千5百万円を繰り上げ充用する専決処分をした。

 また湯船排水路河川災害復旧事業工事費支払いに係る役場の不祥事を原因とする未精算分の約1億8千万円支払いを専決処分した。

 
専決処分は、本来議会の議決が必要な件について、緊急を要するものでありかつ軽易なものについては議会の審議に付さず、町長が処分することができるものである(地方自治法第180条)。議会・町民が同意しない支出などの会計処理であっても違法なものを除いて町長の権限で可能とするものである。
 従って、議会を開くいとまがないときに限られているのは当然として、専決の時点で町民に対し軽易なものであって議会審議に付さずに処理することの妥当性を説明しなければならなかったのです。

 この観点からすると
上記2件とも法律の趣旨及び行政手続きに違法性があるので抗議するものである。

 まず、
木質バイオマス発電事業については従来から赤字続きの事業であって、売熱先が無ければ将来とも黒字化の見込めない税金垂れ流しの事業である。昨年の町議会でこの事業の今後について議論され、売熱先は無いのに、議員の特別な配慮をもって令和5年度までの事業継続が認められた経緯があったはずである。昨年の議会審議の経過も考えれば議会や町民には重大な関心事であって、決して軽易な事案ではありません

 つまり地方自治法が定めた
専決の条件から逸脱した違法な処理であると抗議します。

 さらに小山町は木質バイオマス事業の令和3年度の赤字の補填を翌年度の予算から繰り上げて充てたのであるが、地方自治法208条の「
各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに充てなければならない。」という会計年度独立の大原則に違反した処理をしたのである。
 小山町がしたように令和3年度の赤字を4年度の予算で充てても良いという定めはあるが、これは緊急避難的な例外規定であって、地方自治法の解説によれば、小山町のように令和3年度の赤字を翌4年度の予算をもって穴埋めするような団体は「(この種の団体は)財政の再建のための計画を樹立しこれを誠実に実施して速やかに財政の立て直しを図るべきである。」(逐条地方自治法・学陽書房)とある。小山町が使った制度は、財政破綻の危機的な団体等が姑息な赤字糊塗に走らないようにおもんぱかった避難措置なのです。

 従って小山町はかくも経営が困難な木質バイオマス事業については、再建のための計画を樹立しこれを誠実に実施して速やかに財政の立て直しを図る方策を示さなければならなかったのです。

 
小山町が木質バイオマス発電事業の令和3年度の赤字を4年度予算で平然と専決処理で補ったのは、地方自治法の趣旨を無視した悪質な会計処理でもあります。

 また令和4年度の木質バイオマス会計の予備費から補ったというが、赤字を適正な手段で解消できないこの会計において、4月時点で2千5百万円もの余裕現金があるという事が信じがたい。令和3年度に発生した赤字の内容・原因を含めて、適切な事務処理が行われているのか検証されよ
 
 次に、湯船排水路河川災害復旧事業工事費未精算分約1億8千万円の支出であるが、専決処分する法的な根拠が全く曖昧である。

・役場の不祥事が原因の支出であるのに、議会の審議を経ずに町長の専決で払ったのは
議会軽視であり裁量権の逸脱である。

未精算分工事費が約1億8百万円であり、地方自治法で定めた、町長が専決できる社会通念上軽易な範囲を大きく超えており違法な専決処分である。

・未精算工事費の内容は、令和元年度以来
国の補助事業として実施してきた事業と同じものである。本来は国の補助対象になったはずであり、補助率を乗じた約1億1千万円は町税からの負担は無かったはずである。このことの重大性を自覚し、精算金約1億8千万円の内訳の詳細を町長の責任において説明すること

・精算金の支払いは財政調整基金から支払うとしているが、財政調整基金の目的は「
大規模災害の発生や大幅な税収減などがある年度に取り崩しを行う」となっていることからして目的外使用になるのではないか。

・役場は、公共事業に掛かる不祥事であるのにこの対応を行政法ではなく
民法702条での措置を示唆している。類推するに、施工業者は役場からの依頼が無いのに工事をしてしまったのか。しかし町のためにやったことだから金を払うという事なのか。民法702条での対応の妥当性を正確に町民に説明せよ

湯船排水路河川災害の原因は小山町が上流で工業団地を造成し、防災関連工事を後回しにしたことによるものである。もともとこの水路は水路としての形状はなく急こう配の地形であり防災調整池からの排水路としたことが非常識である湯船排水路河川災害は工業団地内産業廃棄物処理問題と同一線上の小山町役場による人災であることを指摘する
                   (資料 湯船排水路河川施設災害復旧事業 役場作成資料)
 以上2件の専決処分は、緊急性も曖昧であり事業の内容も軽易なものとは言えず、さらに不適切な会計処理にも当たるので、地方自治法に抵触した処分であり無効である。
原則に則って議会の議決に基づいて措置することを求める。


 また池谷町長は、この不祥事の原因を職員間の「報連相」の欠如だと説明している。しかし小山町役場はこの10年来、十指に余る不祥事をほぼ連続的に起こしています。そして一度も職員は責任を問われず、町民は一方的に莫大な損失を被っています。単なる職員間の連絡の不徹底などではなく、小山町役場に巣くった構造的な問題なのです

 
池谷町長が残る任期を、町民を侮ることなく正義に基づいて務められるよう強く望みます

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