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 役場は町有地売却で談合 
~住民訴訟裁判で判決。真実を隠す小山町役場~  

 小山町が平成28年にホテル会社Aへ土地を売ったことに対して、小山町住民が違法だと訴えていた裁判で、静岡地裁は「町とホテル会社との契約は違法であって売買は無効だ」と厳しい判決を下しました。町は、広報おやま5月号で裁判の結果を町民に報告しましたが、判決の核となる役場の不祥事を伝えていません。役場が入札に際して予定価格をホテル会社Aに教え、有利な取り計らいをしたので契約が無効になったのです。反省の色も見えないどころか、犯行を隠そうとする役場の不誠実な姿勢を見過ごすわけにはいきません。私たちはこれに抗議するとともに判決文を基に、事実を辿ります。
(*判決文は、オンブズマン小山町のホームページ「前町政に厳しい判決」のコラムに掲載。)

 
ホテル土地裁判 Map.png
原告の小山町住民は、町へ何を求めていたのでしょうか

1、町が労働金庫から土地を買ったことは、特定の者からの要請に基づくことなので違法であり
  土地を労働金庫に返せ。
2、町が労働金庫から買った土地をホテル会社Aに売ったことにより、
  町が被った損害を町長は前町長に賠償請求せよ。
3、町は、ホテル会社Aに町有地を売った手続きは違法なので、直ちに町に返還させよ。
看板で抗議イラスト 断固抗議.png
裁判所は証拠を提出させ、証人尋問をした結果、次の事実があったと認めた。
(判決文36・37・38頁)
小山町は入札で町有地買取業者を募集したが応募はホテル会社A、1社のみだった。
  • この取引は、前町長が先輩県議やホテル会社Aの社長から頼まれてしたことであり、ホテル会社Aに売ることが想定されていた。
  • 町は土地の予定売却価格を13,000円/㎡、総額1億6,100万円と決めた。ホテル会社Aの提示価格は13,030円/㎡、総額1億6,103万7,770円で不自然に近い。
  • 町が設定した売り先を決める上での採点の満点は350点、基準点は280点としたところ、ホテル会社Aの点は291点。
  • 30円/㎡上回ったことで町が設定したルールにより40点がプラスされ基準点を上回った。
  • 金融機関から30円/㎡カットして切りの良い数字にしたらと勧められたが、どうしても欲しい土地なので30円を残したとホテル会社A社長は供述している。
  • 役場は提出済みの提案書について、記載内容を変更するために差し換えるという不適切な処理をしている。
証拠や証言を基に出した裁判所の判決は次の通りです。(判決文要旨)   
◆ 小山町が、労働金庫から買収した土地の売り先としてホテル会社Aを選んだ手続き(入札)及び売払いも違法である。
なぜなら、予定売却価格が小山町側(前町長やその意向を認識し得る小山町幹部及び担当職員は事前に予定価格を知ることができた(判決文37頁))からホテル会社Aに事前に漏れ伝えられていたことが認められ、その過ちは見過ごすことはできない。違法の程度も重大であり、ホテル会社Aとの間で行われた売却は無効というべきである

1、小山町が労働金庫から土地を買い取ったことは違法とは言えない。

2、原告住民らの請求の内、前町長に損害賠償を求めることに関しては、この判決で小山町とホテル会社Aとの土地売買契約は無効になったので、土地は小山町のものである。よって、損害は発生していないので、原告の請求は理由がない。

3、原告住民は、土地をホテル会社Aから直ちに小山町に返還させよというが、小山町とホテル会社Aとの土地売買契約が無効だとの判決はこの裁判で出されたばかりである。町が土地の権利を戻すには土地代1億6千万円をホテル会社に返したり、ホテル会社Aとの協議も必要になる。従って、町の対応の猶予期間は認められるべきであり、原告の請求は棄却する
 

判決文
 

主 文

1 原告らの請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は、両事件を通じてこれを2分し、その1を被告の負担とし、その余は原告らの負担とする。

主文の解説


主文1の「原告らの請求を棄却する」ことにより、形の上では役場の勝訴となりますが、この内容は、前記(判決文要旨)で書いたように「役場が結んだ契約は違法で無効だ」と判決されたことにより、原告住民の請求の意味がなくなってしまったので「棄却」されたのです

 ところが役場は、原告の請求は棄却されたので役場側には大した問題はなかったとか、町民原告側の訴えが不当であったかのように広報し、情報操作に走っています

役場がした価格漏えいという犯罪は5年以下の懲役又は250万円以下の罰金が課せられるのです。

主文の解説…役場の不正行為が費用負担の原因です
 

主文2の裁判費用についても、役場は悪質な情報操作をしています。裁判に勝ったはずの小山町が裁判費用を求められたことは異例のことです。この異例な判断をした理由を裁判官は判決文(43頁)で次のように述べています。

 

訴訟費用の負担については、本件プロポーザルが違法であり、本件売却が無効であるとの判断に鑑み、その一部を被告(小山町役場)に負担させるのが相当である

 

 小山町役場がホテル会社Aに土地を売った手続きで役場側から予定価格を漏らすという違法行為があったので費用の負担を求められたのです。役場は、負担は2分の1で3万円程度だと、軽く言いますが、役場が官製談合という犯罪行為に走ったがために請求されたのです

 役場が普通に、公正に事務に当たっていれば請求されない負担です。

役場が何の反省もなく、違法行為に携わった小山町側の者の責任を問う事もしないで、またしても税金を充てる姿勢には怒りを覚えます

町有地裁判イラスト.png
トンネルを抜ける日はいつ来る

「疑念」なのですか?

 この裁判のポイントは、小山町役場側からホテル会社Aに町有地の売却予定価格を漏らしたと断定され、町とホテル会社との土地売買契約が無効だとされたことです。

 原告住民も小山町役場も控訴しませんでしたので判決が確定しました。役場も官製談合したことを認めたのに、広報おやまでは裁判所に「疑念を持たれた」とごまかしています。残念ですが、これが小山町役場の実態なのです。

悪質な情報操作
 役場が、3月22日に地元記者会見用に作成した文書では、役場の入札で法律違反があったのでその契約が無効だと判決されたのに、そのことには全く触れず「原告の請求は棄却された」との言葉を繰り返しています。役場からの資料しかない地元2紙は、この資料に基づいて記事を書いています。しかし、静岡で判決文を手にしていた静岡新聞は、判決の核心部分を把握して別添の記事のように正確に書いています

 前記「裁判所の判断」「主文の解説」で書いたように、裁判所が、原告の請求の通り役場が不正を行ったと断定したことにより、契約そのものが無かったことになるので損害は発生しない。役場が不正をしたという判決は下されたばかりだから不正を正す猶予期間を与えましょう、という意味の「棄却」なのです。
  判決文は変えようがありませんので、裁判全体を通して原告住民の考え方が採択されていることが分かります。判決の内容に触れないで「理由がない」との表現を繰り返し、原告町民の正義感を汚そうと企図するのはあまりにも悪質です。          (残念ながら役場の説明を信用した議員や町民は少なくないようです。)

関係者は特定されているのに

 3月18日の判決後、役場はすぐにコメントを出しました。「価格漏えいを職員は否定している。職員を信じる。これ以上追及しない。」というものでした。役場が職員を信用するとかしないとかの問題ではなく、町民に対する説明責任の問題です。役場は価格漏えいという官製談合をしたことは認めたのですし、判決文によれば価格漏えいをした小山町側の関係者もほぼ特定されています。

 役場が職務を行う上で犯した違法行為ですから、真相追求と再発防止は現町長らの義務です。町民の行政不信を買ってまで真相究明に背を向ける理由はどこにあるのでしょうか。

*新産業集積エリア湯船原工業団地からまたごみが出て、また税金で処理するようです。町長が前町長の政治的責任は重いとの言葉だけで役場の不詳事追及を放棄したために、際限もなく町民負担でごみを片付けることになってしまったようです。

 

湯船原工業団地(町は産廃の埋められた土地を21億円で買収)から掘り出されたごみの処理

役場は大量のごみの埋め立てを知りながら、売り主側の責任は問わず、税金で片づけるという方針で造成に着手
 

・令和元年までに 19億円・大和ハウスが負担。 

・令和2年3月、11億円・税金で始末(池谷町長は、前町長らが原因なので町民に負担はさせられない。前町長らに損害賠償を求めると発言。役場は、この11億円でゴミは撤去し終えたと説明。) 

・令和3年10月、池谷町長は前町長らへの損害賠償請求を放棄すると決定  

・令和4年2月、町から大和ハウスへ所有権を移し、大和ハウスが分譲した土地からごみが見つかり税金で処理、1,500万円 

・令和4年6月、大和ハウスが分譲した土地からごみ発見、税金で処理 ?万円

*新聞報道では、工業団地からごみが出たら町が処理するという契約が内緒で交わされているようです。(町民に負担が発生する契約は町議会の議決が必要です。)

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